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青い欲情~男と女の色模様~
第21章 最終章
「そっか…
もうお酒も呑める年齢になったのね」
沙織は僕の隣にベッドに腰かけて
優しく頭を撫でてくれた。
「でも呑みすぎはダメよ
ここに連れて帰ってくるのが一苦労だったんだから」
次第にぶっ倒れる前の記憶が鮮明に甦ってきた。
「あんたと一緒に呑んでいたのは知り合い?
ずいぶんと鍛えられた体をしていたわね
やっぱり建設のお仕事をしていると体が鍛えられるのね」
沙織はそう言いながら「明人も逞しくなったわ」と
僕の発達してきた胸筋に手を沿わせた。
「今になって大学に進学しなかったことを悔やんでいるよ
早く社会人になって美波と結婚したかったんだけど…
それも全ておじゃんになっちまったから…」
僕は正直に美波と別れたんだと告げた。
「まあ!あんなにラブラブだったのに…
やっぱり遠距離恋愛って難しいのね」
「そんなことよりもさ!
父さんと別れたんだって?
母さんから父さんを奪っておいて今度はあっさりと父さんを捨てたんだね?」
「そうね…酷い女よね…
でもね、あの人の体の事を思えばこそなの…」
沙織はセックス依存症だから
一緒にいるとどうしても体を求めてしまうと白状した。
「あの人、私を抱くためにバイ○グラまで服用してくれてたの…
でも、あれって常用するもんじゃないわよね?
お医者様に言われたわ、快楽を取るか寿命を取るかのどちらかだと…」
当然、父さんの事だから沙織のために前者を選んだに違いない。
「好きだからこそ、あの人の前から去ったの…
私が傍にいればあの人を苦しませてしまう…」
沙織が父さんと別れた理由が
父さんの体のためを思っての事だったのかと
沙織の事をちょっぴり見直した。