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青い欲情~男と女の色模様~
第2章 文化祭

「まあ!本当に?
でも、先生もお忙しいんじゃありません?」
「全然!僕は何の役も当たっていませんから、
暇で暇で仕方ないんですよ」
「じゃあ…お願いしようかしら…
明人、お姉さんは担任の先生にご案内してもらうから役員を頑張るのよ」
そう言うと、おねえさんは担任の磯田と肩を並べて校舎の中に消えていった。
『ったく!磯田の野郎も調子いいんだから!』
腹立たしく思っているところへ
美波が駆けつけてきた。
「もう!明人くん、何をしてるのよ
体育館のイベントが始まるわよ!」
美波は、ここぞとばかりに
僕の手を取って体育館へ走り出した。
文化祭の役員はおろか、進行係なんてするもんじゃないなと思った。
まったく!自分の時間なんてないじゃないか!
美波がサポートでそばにいてくれることだけが唯一の救いだった。
体育館のステージでは
とんでもなく下手くそなバンドがエレキギターを掻き鳴らしていた。
そんな時に一枚の連絡表が手元に回ってきた。
文化祭が終われば慰安会と称して
役員でカラオケに行きましょうという回覧だった。
「明人くん、カラオケに行くの?」
掻き鳴らすギターの音に負けじと
美波が僕の耳に口を寄せてそう言った。
「僕は、みんなで騒ぐのは苦手なんだ」
そう言ってあげると
意味深に僕の手を握ってきた。

