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青い欲情~男と女の色模様~
第5章 美波と電話で…

車は僕らに近づくにつれて減速して
やがて僕らの前で停まった。

「パパ?」

見慣れた車のボディで
それが父親の車だと美波はそう告げた。

そして運転席のドアが開いて
恰幅のいい男性が車から降り立った。

「美波、遅いから迎えに来てやったぞ」

美波の父親は僕の存在など無視して
彼女を助手席に乗り込ませようとしている。
慌てて僕は美波の父親に近づいて
「初めまして、僕、美波さんのクラスメートで」
挨拶が言い終わらないうちに
「今夜はもう遅いからね
君も気をつけて帰るんだぞ」と
僕と美波の関係を詮索しようともせず
さっさとエンジンをかけて走り去ってしまった。

『うわ~っ!…ろくに話も聞いてもらえなかったよ…』

もしも…もしもだけど、
この先、美波との交際が順調に続いても
僕は絶対にあの親父さんとは上手くやっていける自信がなかった。

美波は車の中で
「夜も遅いってわかっているのなら
明人を乗せて送ってあげようとか思わないわけ?」と父親に文句を言っていた。

「男なんだろ?
レイプとかされる心配もないし
一人でも帰れるさ」

そんな事を言いながら
「言っておくが」と言葉を繋ぎながら
「あいつと交際している訳じゃないだろうな?
もし、交際しようとか考えているんなら
時間をかけてじっくり考えた方がいいぞ」と
あからさまに明人との交際に反対だと言った。

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