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青い欲情~男と女の色模様~
第5章 美波と電話で…

暗い夜道で一人ぼっちになると
ますます夜風の冷たさが身に染みる。

とぼとぼと夜道を帰るのも寂しいから
僕はスマホを取り出して美波に
『今夜は素敵だったよ
また遊びに行こうね
おやすみ』と
LINEメッセージを送信したが
いつ迄たっても既読が着かなかった。

「親父さんがLINEなんて無視しろとでも命じているのか?」

まったく…
さっきまでの甘い時間は夢か幻だったんじゃないかと思えてくる。

「そうだ!おねえさんともLINE交換していたんだっけ!」

僕は急いで彼女とのトーク画面に切り替えた。
猫が好きなのか背景画面には可愛い子猫が設定されている。
「この子猫を飼っているのかな?
いいな、お前は…毎晩おねえさんに抱っこしてもらって寝ているんだろ?」
一人で夜道を歩いていると
なぜだか妙に独り言が多くなってしまう。

『おねえさん、今、暇?』

返信を心待ちにしたけど
こちらも既読にならない。

「なんだよ!磯田の奴とまだ呑んでるのかよ!」

腹立たしさと共に
もしかして男と女の仲になっているんじゃないかと、嫉妬心がメラメラと燃え始めていた。

駅に着くと、最終電車が発車する寸前だった。
危ない、危ない…
こいつを逃がすとマジで歩いて帰らなきゃいく羽目になるところだった。

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