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青い欲情~男と女の色模様~
第5章 美波と電話で…

電車の中でスマホを確認すると
美波に送ったメッセージも
おねえさんに送ったメッセージも既読になっていない…

もしかしたらスマホの充電切れかな?
そう思いたいけど、
本当に二人から嫌われてしまった気になって、
僕は世界一孤独な男だと感じて
美波と過ごした楽しい時間を忘れて落ち込んだ。

それにしても、どうして終電ってこんなに混んでいるんだ?
まるで朝のラッシュ並みじゃないか。
おまけにかなりの人が酔っぱらっているのか
酒臭いったらありゃしない。

つり革も手すりも持たない人が
電車が揺れる度に僕にもたれ掛かってくる。
サラリーマンって朝も夜もぎゅうぎゅう詰めの電車で大変だなと、やがて社会人なる僕を憂鬱にさせた。

やがて遠く離れた場所から
「痴漢!!痴漢です!!」と
女の金切り声が上がった。
「おい!あんたか?」と
正義感に燃えた男の声も後に続く。

次の駅で電車が停まると一人の女性と男性が外に連れ出された。
男はベロベロに酔っていて足取りもおぼつかない。
そんな見た目も冴えない男に向かって
痴漢された女が泥酔男の胸を小突いていた。

やがて駅員が駆け寄ってきて
駅員数名に取り囲まれながら
女と男は駅員室へと連れて行かれた。

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