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ガトーフレーズ
第12章 tarte
「莉乃さんちに行って。お母さんになぜか握手求められたけど、ここで働いてるって教えてもらって驚いた……」
「ごめんね……母が……」
「や、そこじゃなくて、目が覚めたら莉乃さんいなくて、すげー心配して。
起こしてくれたらよかったのに。でも、ここで働いてるって聞いて、ほんと嬉しかった」
お水の取り替えにかこつけて、聞き耳をたてていた杏奈が、きゃーというように目をつぶった。
「聞きたいこと、言いたいことがたくさんあるから……。だから、時間作って」
俊太の真剣な眼差し。
……嬉しい
……いいの?
……でも…………。
考えていると、
「あの! 莉乃さん! うち明日のシフト替わります!」
杏奈がずいと俊太に近寄ってそう宣言した。
「莉乃さんは、今夜からひまです! どうぞ連れていってください!よろしくお願いします!」
俊太は一瞬驚いていたけれど、
「わかった。ありがとう」
杏奈も赤くなってしまうほどの笑顔でそう言った。
「お……オーナーに、報告してきますっ!」
パタパタと走っていく、お節介で可愛い後輩に、どんなにお礼をしたって足りない。
素敵なお店で働けている幸せを、改めて噛みしめた。
「ごめんね……母が……」
「や、そこじゃなくて、目が覚めたら莉乃さんいなくて、すげー心配して。
起こしてくれたらよかったのに。でも、ここで働いてるって聞いて、ほんと嬉しかった」
お水の取り替えにかこつけて、聞き耳をたてていた杏奈が、きゃーというように目をつぶった。
「聞きたいこと、言いたいことがたくさんあるから……。だから、時間作って」
俊太の真剣な眼差し。
……嬉しい
……いいの?
……でも…………。
考えていると、
「あの! 莉乃さん! うち明日のシフト替わります!」
杏奈がずいと俊太に近寄ってそう宣言した。
「莉乃さんは、今夜からひまです! どうぞ連れていってください!よろしくお願いします!」
俊太は一瞬驚いていたけれど、
「わかった。ありがとう」
杏奈も赤くなってしまうほどの笑顔でそう言った。
「お……オーナーに、報告してきますっ!」
パタパタと走っていく、お節介で可愛い後輩に、どんなにお礼をしたって足りない。
素敵なお店で働けている幸せを、改めて噛みしめた。