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A crescent moon
第9章 世界

排泄行為をかつて愛した人に見られるのは羞恥心しかなかった。

キスをしながら私はうつろな頭で考えた。

(今日…何日だろう…)

すべて出し終えて唇を離すと、正弘さんがティッシュで拭いてくれる。

「美和、休み使っちゃったから明日から俺仕事だから…一日一人で大丈夫?」

何が大丈夫なんだろうか。

一人で排泄できるか?

一人でご飯食べれるか?

一人で留守番できるか?

「だいじょうぶ…」

私は小さく応えて、立ち上がった。

ジャラジャラ…

正弘さんが私の左手首を見ていった。

「もうちょっと軽い鎖買ってくるよ。美和、痛いでしょ?」

「…いたい…」

心が痛い。
身体が痛い。
頭が痛い。

正弘さんは私の言葉に頷くと、お昼ご飯を作りにキッチンへ向かった。
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