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A crescent moon
第10章 白光

「...わ...美和!お母さん美和が目をあけました!」
まぶしい光に目を閉じ、またゆっくりあけると、次第に白い壁が見えてきた。
すぐに私を覗き込む女が涙を流して叫んだ。
「美和!美和、美和!良かった...良かったよぉ...」
「...こ...?」
「え?何?私だよ、良子だよ!」
「...うこ...良子」
目を移すと、肩を抱かれて立つお母さんがいた。
「グスッ..良かった...美和...」
お父さんがギュッとお母さんを抱きしめるのが見えて、重たい左手を見た。
動かそうとしても動かない。

