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A crescent moon
第10章 白光
「.....ここ...」

「あんた、手首切ったんだよ!!すぐに運ばれて助かったの!」

「...」

しかし確かに包帯をぐるぐる巻かれているのを見ても、なんとなく落ち着いていた。
それよりも...

「...正弘さん..正弘さんは?」

私が聞くと三人が目を見合わせた。

「美和、もうアノ男はいないわ!解放されたのよ!良かったわね!」

「正弘さん..会いたい...正弘さんは?」

良子は戸惑ったように私をみる。
私は窓の外に視線を移した。

(ここ...部屋じゃない...正弘さんの家じゃないよ...)

涙が目尻からこめかみに流れた。
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