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A crescent moon
第10章 白光
押さえつけられても暴れる私に、今度は看護士たちが来て三人に抑えつけられた。

頭がクラクラしてきて、素直にベッドに寝転ぶとお母さんが泣き崩れた。

それを見ながら、私はあの部屋を思い出していた。

「..正弘さん..」

その部屋に立つ正弘さんが見える。

笑顔しか思い出せなかった。

だって正弘さんいつも笑ってくれたもん。
頭撫でてね、優しくてね、ギュッてしてくれたんだもん。

自分で身体を抱きしめるように腕を回した。

ちがう。

こんなんじゃない。

あったかいの。

もっと。
もっともっともっと。

「私には彼が彼には私が必要なの愛してるのどうして引き裂くの?」

「み、美和・・・」

「ね、そうだよね..正弘さん・・・」
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