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A crescent moon
第11章 愛愛
「佐々木正弘です。良かったら今度…食事でもいかがですか。」
「…えっ…」
見る見る赤くなっていく彼女を見ていて、俺まで熱くなってくる。
そして少ししてから手を差し出し名刺を受け取ると、顔を上げてニコッとした。
「…松方美和です。また…ご連絡します。」
そういって廊下をさっさと歩いていってしまった。
そのとき、タイミングを見計らったように会議室の扉が開き、担当者の崎本さんが顔を出した。
「佐々木さん。いつまでたってるんですか。」
笑いを含んだ言葉に、俺は慌てて中に入った。
「…いやあ、聞くつもりはなかったんですがね。聞こえるもんでして。」
おそらく50代後半の彼は笑いながらいすに腰掛けた。
気まずい気持ちで苦笑いを返す。
「しかし佐々木さんも、意外に大胆ですね。受付の松方さんは社内でも有名ですから。」
「そ、そうなんですか…」
そりゃそうだろう、と思う。
彼女は何か顔だけでなく魅力がある。
「でもお誘いを受けて、引き受けたのは佐々木さんが初めてだと思いますよ。ガードが固いことでも有名ですから。若い社員の間では。」
その言葉が、取引先だという愛想を含んだものなのか、この時はもちろん分からずその後連絡が来ただけで、俺は舞い上がっていた。
「…えっ…」
見る見る赤くなっていく彼女を見ていて、俺まで熱くなってくる。
そして少ししてから手を差し出し名刺を受け取ると、顔を上げてニコッとした。
「…松方美和です。また…ご連絡します。」
そういって廊下をさっさと歩いていってしまった。
そのとき、タイミングを見計らったように会議室の扉が開き、担当者の崎本さんが顔を出した。
「佐々木さん。いつまでたってるんですか。」
笑いを含んだ言葉に、俺は慌てて中に入った。
「…いやあ、聞くつもりはなかったんですがね。聞こえるもんでして。」
おそらく50代後半の彼は笑いながらいすに腰掛けた。
気まずい気持ちで苦笑いを返す。
「しかし佐々木さんも、意外に大胆ですね。受付の松方さんは社内でも有名ですから。」
「そ、そうなんですか…」
そりゃそうだろう、と思う。
彼女は何か顔だけでなく魅力がある。
「でもお誘いを受けて、引き受けたのは佐々木さんが初めてだと思いますよ。ガードが固いことでも有名ですから。若い社員の間では。」
その言葉が、取引先だという愛想を含んだものなのか、この時はもちろん分からずその後連絡が来ただけで、俺は舞い上がっていた。