この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
A crescent moon
第11章 愛愛
「じゃあ佐々木さん、〇〇大学なんですか!?」
「はい。」
「ええ~すご~い!…って、さ、叫んじゃってすみません…」
静かなレストランで、松方さんが恥ずかしそうにうつむいた。
私服を見るとスタイルが良いのが分かる。
今日は巻いている髪も、一段と大人っぽさをかもし出していた。
「佐々木さん、私より3つ上なんですね。」
「みたいですね。松方さんは一人暮らし?」
「はい。本当は卒業したら実家に帰るつもりだったんですけど…田舎だし、友達もこっちにいるから。こっちで就職しちゃいました。」
「そうなんだ。」
まだ少し子供らしいところが抜け切っていない会話も、つんとした大人な女性よりも俺には好意的に思える。
緊張しながらも、次のデートも取り付け何度かそれを繰り返した。
そして…
「付き合ってくれないかな。」
とうとう口に出したとき、彼女はうれしそうに笑って手を握ってくれた。
「はい。」
この笑顔は、俺だけに向けられたもの。
絶対にはなしたくないと強く思った。