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A crescent moon
第11章 愛愛

「じゃあ佐々木さん、〇〇大学なんですか!?」

「はい。」

「ええ~すご~い!…って、さ、叫んじゃってすみません…」

静かなレストランで、松方さんが恥ずかしそうにうつむいた。

私服を見るとスタイルが良いのが分かる。
今日は巻いている髪も、一段と大人っぽさをかもし出していた。

「佐々木さん、私より3つ上なんですね。」

「みたいですね。松方さんは一人暮らし?」

「はい。本当は卒業したら実家に帰るつもりだったんですけど…田舎だし、友達もこっちにいるから。こっちで就職しちゃいました。」

「そうなんだ。」

まだ少し子供らしいところが抜け切っていない会話も、つんとした大人な女性よりも俺には好意的に思える。

緊張しながらも、次のデートも取り付け何度かそれを繰り返した。

そして…

「付き合ってくれないかな。」

とうとう口に出したとき、彼女はうれしそうに笑って手を握ってくれた。

「はい。」

この笑顔は、俺だけに向けられたもの。
絶対にはなしたくないと強く思った。
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