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A crescent moon
第11章 愛愛
混乱しながらも指は勝手に携帯を操作していた。
救急車を呼んで、指示を仰ぎながら。、とにかく美和の裸を見られたくないと、服を着せた。

南京錠をはずした。

頭が痛い。
なぜか

見たことのない、お養母さんが首を吊る姿と
お義父さんの病室での干からびた様な顔が浮かんだ。

美和は息をしている。
俺は息をしていない。

つらい、苦しい。

倒れそうになったとき、救急隊員が入ってきて美和と引き離された。

「いやだっ..ひっ..くっ..美和ぁ..!」

「佐々木さんですね!?息を大きく吸って下さい。女性の方は大丈夫ですから!」

過呼吸を起こした俺の耳元で叫ぶ救急隊員を押しのけ、運ばれる美和に駆け寄る。

息ができない。

「はあっ..くっ..み..わぁ..」

美和が離れていく。

イヤだ。
イヤだイヤだイヤだ。
美和....行かないで....
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