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A crescent moon
第3章 悪夢
玄関の鍵は掛かっていた。

(良かった..出社してる....)

私はほっと胸をなで下ろし、鍵を開けた。
キイー....

するとバタバタと足音が聞こえてきて、リビングから正弘さんが出てきた。

(なんで....)

「ミワ!」

「..な、なんで....」

私はぎゅっと抱きしめられ、戸惑った。

「仕事は....」

「今日は休んだ..あああミワ..」

体を離し、涙をためた目で私を見つめ、頬を包み込むとまたぎゅっと抱きしめた。

「携帯も持っていってないし....連絡つかないから..良かった..お義母さんも知らないというし..」

「家に..連絡....したの..?」

私はビクッとして顔をうずめたまま呟いた。

「当たり前だろう?心配で死ぬかと思ったよ....お義母さんにもめちゃくちゃ謝られてさ。」

「..そう..ごめんなさい..」

(また私が悪者なのね..)

身体を押しのけ、私は靴を脱ぐと、さっさとリビングに向かった。
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