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A crescent moon
第12章 再起

「こんな夜中で…もし違う人が泊まってたらどうすんのよ…」

フロントで聞いても、きっと個人情報だといって教えてくれない。
でも携帯にもう彼の名前はない。
正弘さんに全て消されていた。
ただ、女友達の分を置いておいてくれたのは、きっと彼の優しさだった。

(バッカだな~…)

自分の浅はかさに苦笑する。
そのとき、急に目の前の扉が開いた。

「えっ!?」

ちょっと驚きながらも期待して見上げると、半裸の男がいた。

「…あんた誰?」

ヨシキじゃなかった。

「えっと…あ・・・」

「さっきから扉の前でぶつぶつうるせえんだけど。」

「す、すみませっ…」

(声に出てた…恥ずかしい…)

「りょーじぃ~早くぅ…」

女の声に振り返ると

「ああ。すぐ行く。」

そういって、私に向き直った。
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