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A crescent moon
第12章 再起

何をしていたのか容易に想像できて、顔が熱くなる。
「もういい?さっさと自分の部屋帰れよ、お姉さん。」
「…すみませんでしー」
言い終わらないうちに、男は舌打ちして扉を閉めた。
バタンと扉が閉まってから、少しして声がもれ聞こえてきた。
「…誰?」
「知らね…お前濡れすぎ~」
「アアンッ…」
むなしくなってきて涙が溢れてきた。
全てに見放された気がした。
ただの思い込みでも、私はなんだか自分がひどく惨めだった。
(…帰ろう…)
そう思って振り返ると、男が立っていた。
「…?」
「あなた、美和さん?」
「へ?」
長身の男に私はちょっと後ずさりながら、首を縦にした。
「もしかしてヨシキさがしてる?」
「えッ…!?」
私はびっくりしながら、何度も頷いた。
(なんで知ってるの…!しかも私のことまで・・・)

