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A crescent moon
第12章 再起
長身の男は、私を舐めるように見ると

「ついてきて」

とエレベーターに向かって歩いていった。

右手に持ったコンビニの袋がガサガサ音を立てる。
静かな廊下を促されるまま歩き、エレベーターに乗り込むと32階を押した。

「…32階…」

「君、間違えたんじゃない?さっきの部屋は23階だし。」

「あっ…」

「写真しか見たことなかったから本人か分かんなくてさ。コンビニの帰りに君を見かけて付いてきた。そしたら23階の部屋の前でブツブツ独り言するし、かと思えば泣き出すし。」

「…み、見てたんですか…っていうか、あ、あなたは…?」

「あ、俺、ヨシキのマネージャー。」

「ま、マネっ…」

慌てて見上げると、彼は私をにらみつけてからため息をついた。

「写真以上にブスじゃん。」

「!?」

(な、なにこの男…いきなりブスって…)

ちょっとムカッときて言い返そうとしたとき、32階についた。
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