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A crescent moon
第3章 悪夢
私だって初めは羨まれることで鼻高々だったし、かっこいい彼にぞっこんだった。
両親は諸手をあげて喜んだしすんなりと結婚も決まり、同棲も始まった。
けど…
「映画、面白かったな、美和!」
「そうだね…」
私が顔も見ずに答えるとむっとしたように唸った。
「何で機嫌悪いんだよ。昨日のことか?あれはお前が悪いんだろ。」
「…」
私は今幸せなんだろうか。
同棲をはじめて知った事実。
彼が怒ると暴力を振るうこと。
相談できるのは同僚の良子だけだった。
ぶつぶつと相変わらず自分を正当化する文句を並び立てる彼を冷めた目で見ながら、私はふと視線を移した。
ショーウィンドウに並ぶワンピース。
『美和はさ、ウェストが細くてお尻が大きいから、こういうラインのワンピースが似合うと思うんだよね。』
『え~ほんと~?』
鏡に反射した今の姿を見てため息が出た。
(おしゃれ…したいな。)
昔はおしゃれをしたら喜んでいた彼は、いつの間にかおしゃれをすると男に媚びているというようになった。
『他の男の前でスカートなんてはくなよ。』
そういって何度殴られただろうか。
受付の仕事だって本当はやめなくちゃならない。
でもそれだけは私のすべてが奪い去られるようで、断固拒否していた。
それもきっと結婚すれば辞める。
私は結婚という名の契約の下に、彼にすべてをささげなくてはいけないから。
両親は諸手をあげて喜んだしすんなりと結婚も決まり、同棲も始まった。
けど…
「映画、面白かったな、美和!」
「そうだね…」
私が顔も見ずに答えるとむっとしたように唸った。
「何で機嫌悪いんだよ。昨日のことか?あれはお前が悪いんだろ。」
「…」
私は今幸せなんだろうか。
同棲をはじめて知った事実。
彼が怒ると暴力を振るうこと。
相談できるのは同僚の良子だけだった。
ぶつぶつと相変わらず自分を正当化する文句を並び立てる彼を冷めた目で見ながら、私はふと視線を移した。
ショーウィンドウに並ぶワンピース。
『美和はさ、ウェストが細くてお尻が大きいから、こういうラインのワンピースが似合うと思うんだよね。』
『え~ほんと~?』
鏡に反射した今の姿を見てため息が出た。
(おしゃれ…したいな。)
昔はおしゃれをしたら喜んでいた彼は、いつの間にかおしゃれをすると男に媚びているというようになった。
『他の男の前でスカートなんてはくなよ。』
そういって何度殴られただろうか。
受付の仕事だって本当はやめなくちゃならない。
でもそれだけは私のすべてが奪い去られるようで、断固拒否していた。
それもきっと結婚すれば辞める。
私は結婚という名の契約の下に、彼にすべてをささげなくてはいけないから。