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A crescent moon
第15章 秘密
はしゃぐ私の隣で、ヨシキは微笑みながら私を引き寄せた。

「美和、ごめん、忙しくて相手できなくて。」

「…ううん。」

私は最近より一層逞しくなってきた彼の胸板に頬を当てた。

心臓の音が聞こえる。
彼は生きている。
そして私も。

いまは私だけだとタクトさんは言っていた。

本当なのかもしれない。

ヨシキがいない時は高坂さんもいない。
テレビをつけるといつもヨシキが写ってる。

夜中に帰ってくると、死んだように眠っている。

その姿に、嘘はない、きっと。

だから…やはり本人に聞くしかないかもしれない。

気を悪くするかと思って聞けなかったけれど、私はそれでもヨシキを少しでも知りたいし、叶うならこれからもずっと側にいたい。
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