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A crescent moon
第15章 秘密
「ねぇ、篠原悠斗さんと…結婚式の時、話してたよね。」
私が言うと、一瞬体が震えた気がした。
「…あ…sound boxでお世話になったことがあるんだ。」
焦りを含んだ言葉。
私は正弘さんとのことがあってから、人の言葉に含まれるニュアンスに敏感になっていた。
「彼に、あなたとは別れた方がいいって言われたの。でも理由も言わないし…何かあったの?」
ヨシキは一瞬目をそらすと、すっと起き上がってベッドから降りた。
「ヨシキ…?」
私も起き上がろうとするとヨシキは微笑んで、手で制止した。
「シャワー浴びてくる。」
「ヨシキ、話を逸らさないで…」
シャワーに向かう彼の背に私が言うと、振り返った。
「ごめん美和。言いたくない。君が別れたければ、別れる。」
「どうしてっ、そんなこと言ってないじゃない…」