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A crescent moon
第5章 過去
「さっき帰ってきたばかりだから、夕飯まだなの。ちょっと待ってくれる?」
リビングに向かいながら言うと、頭を撫でられた。
ちゃんとメールはしていたから、一応信用はしてくれているようだった。
「うん。いいよ。先風呂入ってくる。」
「ありがと。あっ..ね、今度良子とご飯食べにいってもいい?」
おずおずと聞くと、一瞬表情がなくなってすぐまた微笑んだ。
「....いいよ。ただ..」
「良子に電話させるよ。写メも送る。」
「なら行っておいで。」
そういうと寝室に向かった。
私はキッチンに向かいながらため息をついた。
恨めしく思いながらテレビを見る。
私に自由はあるのか。
せめて仕事を続けさせてもらえるだけでも、有り難いと思うのが普通なんだろうか。
思いながら野菜を切っていると、電話が鳴った。