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A crescent moon
第5章 過去
優しく答える仙道くんに笑いかけると、家についた。

近くに借りてあるガレージに止めて仙道くんが口を開く。

『..妹..やったぁけど..』

『え?』

扉を開けようとしたのを止め、向き直ると真剣な顔で見つめられた。

『ずっと好きやった..美和ちゃんが。』

ドクンッ..

心臓が震えた。
突然の告白に、私は固まってしまった。

『..今さら..やけども....美和ちゃんの婚約きいて、諦めんとて..上京した時も結局諦めつかんかったのに....』

『....』

私がじっとしていると、手を取られた。
そのまま腕をまくられる。

『や、やめて..!』

『おばちゃんに聞いた....ほやけど..ほんまに階段から落ちたんけ。』

痣を見ながら言う仙道くんの手を振り払って、目を合わせず答えた。

『落ちたの。階段から..』

『....そんなに好きか。』

『落ちたっていってるじゃない....』

『ほな、何で彼氏の話になったら親の顔もよう見やんのや!』

『....っ..』

私がビクッと震えると、仙道くんが我に返ったようにハッとした。
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