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A crescent moon
第5章 過去
『お義母さんが見せてくれたんだ。美和は..昔から綺麗だね。』
『そんなことないよ..』
『モテたんじゃない?』
『全然..』
私が言うと、パタンと閉じて私を見た。
『..仙道くんには好かれてたんじゃない。』
『何いってるの..?さっきだって妹だって..』
『車の中で..何を話してた?』
『それはっ..』
咄嗟に言い訳が出てこなかった。
『..答えて。』
睨まれて、私は仕方なく昔のことを少し話した。
私が少し好きだったということだけ。
告白して振られて、正弘さんに出会ったということにした。
『だから..彼は何ともないの。妹にしか..』
私は嘘を吐きながら肩をすくめた。
愛する人になぜ嘘をつかなければいけないのか、自分自身、疑問だった。