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A crescent moon
第6章 再会

まさかの特別席…つまりは最前列で、周りからの視線が痛かった。
「ね、ねえ良子…やっぱり私たち後ろのほう…」
ッ耳元に口を寄せて言うけど良子は聞いていないのか、小さくつぶやいた。
「嘘…あれ、ADDICTIVE DEATHのヨシキとカズ!?」
私はすぐにステージを見上げた。
「あっ・・・!」
私は思わず声を上げて、恥ずかしくてうつむいたけど、そんな声なんてすぐに周りの声でかき消された。
確かにスタンドマイクの前でうつむいているのはヨシキだった。
(まさか…そんな…)
突然の再会…いや、一方的な再会なわけだけど、私はその姿をしぐさをすべてを見逃すまいとじっと見ていた。
ふとこちらを見た彼が私をじっと見つめる。
その目はやっぱり黒いけど、あのときの冷たさを感じて身体がうずいた。

