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A crescent moon
第6章 再会
「ーわ…美和!!」

「えっ!?」

驚いて慌てて隣で私を覗き込む良子に顔を向けた。

「なにボーっとしてんの?そろそろ帰んなきゃやばくない?」

腕時計を見ると、約束の時間が30分前に迫っていた。

「やばっ!ここからタクシー拾えば10分くらいだよね?」

「うん。じゃあそろそろ帰るか。」

良子が言ったとき、後ろからタクトさんが来た。

「ちょっといい?」

「なに~?」

「お前じゃねえよ。美和ちゃん。」

「私?」

良子と顔を見合わせて、促されるままタクトさんについてステージの裏側へ行った。

暗い廊下を歩きながら私は不安になりタクトさんを見上げた。

「あの…私、あと30分以内に家に着かなきゃ…」

「ここから10分くらいだろ?大丈夫だよ。なんなら俺が送ってってやる。」

「でも…」

「どうせ今日は良子ん家だし。心配なら近くまで送って二人で家まで行けば良い。」

「…ありがとうございます。」

お礼を言うと、ある部屋の前で立ち止まり、扉を開けた。

「おい。美和ちゃん連れてきた。」

「…」

タクトさんが言うと、男がぬっと顔を出した。

(嘘…)

そこにいたのは青い目で、帽子を目深にかぶったヨシキだったー
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