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A crescent moon
第7章 密会
何コールかして、すぐに留守電に切り替わる。
思ったとおりな展開だったけど、緊張は取れずに、震える声でメッセージを残した。
「一回だけでいいから…会えませんか?」
それだけ言うと、私は電話を切った。
隣で良子が一緒に息を吐く。
「もう!私まで緊張しちゃった!」
「ごめん。でも…これでもし本当に会うことになったら…」
私は急に罪悪感が押し寄せてきて、うつむいた。
「いいじゃん会えたら会えたで。」
口を開きかけたとき、電話が鳴った。
ディスプレイにヨシキの名前が出る。
二人で顔を見合わせて、深呼吸してから出た。
「…もしもし。」
『美和?ごめん、登録してなかったから誰かわかんなかった。』
後ろでガヤガヤ声が聞こえる。
「あっ、そっか、私の教えてなかったもんね。」
『いつ?』
「え?」
『金曜の夜からなら朝まであいてるけど。』
「あ…ちょっと待って。…良子、金曜の夜からはって…」
「いいよ。」
良子の言葉を聴いて、耳に電話を当てた。
「大丈夫…うん…じゃあ、19時にシティホテル…分かった…うん。」
私は電話を切って、息を吐いた。