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ジュエリー
第1章 宝石は珊瑚に恋をする

「今更、躊躇わないでよ。お義姉様と俺の仲だろう?」
たつきは首筋に舌を這わせる。お義姉様の口の端から伝ったキスの余韻を拭って、ぼやけたつやの浮かんだ膨らみの頭を小突く。
胸骨を飾る二つの丸みの片方が、みるみる、つんと尖った。
「お義姉様のご褒美があるから、俺は理想の息子でいられる。貴女のために、……貴女が俺を労ってくれて、貴女がお父様に叱られることがなくなるなら、俺はいくらでも頑張れる」
「あっ、たつ、きぃ……さっ、はぁぁっ……あんっ」
「俺を見て。お義姉様。俺を愛して。……貴女は優良な母親だから、俺が頑張れたら嬉しいでしょう?」
たつきはお義姉様にとっての殺し文句を連ねながら、珠の肉体をくまなく味わう。
泣きそうな目を細めてくれる。喘いでくれる。悶えてくれる。たつきの言葉に、煩悶しながら、律儀に頷いてくれる。
広松からこぼれ落ちていったもの、それを、たつきはお義姉様に見出していた。
だが、この日、褒美は思いがけないところで打ち切られた。広松が帰ってきたのである。

