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愛蜜花 〜優しいSとMの関係〜
第2章 2
早足でその場を去る。
…で、帰宅する予定だったのに。

キー、コー、キーっ…

懐かしい金属音がする。

プシュと、炭酸水の缶を開ける音に続いて、ゴクゴクと喉を鳴らす音がした。

ーー急いでコンビニから去ったのに、少し離れたところで呼ばれる声がして、後ろを振り返る。

『おーいっ、おーいっ、
葵さーんっ』

見ると、さっきの紳士が手を振りながらこっちにやって来る。
やがて、私に追い付くと、

『落とし忘れたもの。』

と、言って拾い忘れられた缶チューハイを差し出した。
『本当、すみません』と、手を差し出すと、

『さっきから、そればっかりだね』

と、にこやかに笑った。
そしてコンビニの袋を指差すと、『家でパーティ?』と聞かれた。


ーで、結局。
すぐ近くの公園で、二人で缶チューハイを飲んでいるのだけど。


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