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愛蜜花 〜優しいSとMの関係〜
第3章 3
『したいと言うか、今のでも十分興奮するから。』

自分の手の中で、普段見せない顔や声を出させるのが興奮するんだと言う。
だから…

『葵は、萌える。』

と、ケラケラ笑った。
第一印象と、二度目と、今日と。
色々な顔を見せてくれたからだと、幸介は言う。

と、ゆーか、幸介のあの手で蕩けない女は居ない気がするけど…
現に、私はこんなの初めて…って言うのに、かなり身を任せた気がしていたから。

『正直、僕の欲ってこんなもんじゃないかも。
だから大体どこかで逃げられるんだろうなー。』

と苦笑いをした。
つまり、どういうことだろう…
よく分からなくて首を傾げると、

『ま、なかなかついて来ないものなんだよ』

と、軽くキスをした。
私は、なんだかよく分からないけれど、もっと幸介の欲を知りたいと思った。
そっと、幸介の胸に手を当てる。

逃げ出すってどういうことなんだろう…
幸介の欲って、どんなものなんだろう…

私が、その相手になれたらいいのにと思ったのは、今は内緒にしておこう。
髪を梳く手が、ゆっくり首筋に流れていく。
そこから胸へと手が進む。

幸介の片手が、ゆっくり胸の輪郭をなぞっていく。
じわじわっと、また身体が熱くなっていく。
その、火照りを伝えたくて自分の唇を幸介の唇に重ねた。

人に身体を触れられることが、こんなに自分の身体を熱くするなんて知らなかった。
それを、もっと欲するなんて…

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