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愛蜜花 〜優しいSとMの関係〜
第6章 6
予約されたレストランは、雰囲気も味も申し分なくて、これは女性陣の話題になるよねと、納得した。
堅苦しいわけでもなく、砕けすぎてきる訳でもなく。
そのバランスが絶妙な感じだった。
その店を、幸介が知っていてスマートに予約なんかをするあたり、女慣れしてるなと関心してしまうけれども。
その辺りが、関係を進展させられない理由でもあるわけで。
この関係を、なんと言ったらいいのか自分でもよく分からない。
身体だけの関係にしておく方が都合が良いのかもしれないかなと、気持ちの部分は触れないようにしていた。

…何人女を囲ってるのか分からないし。
と、自分に言い聞かせていた。

ほどほどに酔いも回り、気分も良くなってきたところで、その店を後にした。

『このまま、ホテル行くけど大丈夫?』

と聞かれて、それは同意を求めているだけのことだとは分かるけれども。

『嫌ですと言ったら、帰るんですか?』

全くもって、可愛くないことを言う私はまだ酔い足りないのかと思う。

『もう1件くらい飲みに行って、もう一度聞くかな。
昨日みたいに記憶なくなっても困るけどね。』

そう言う幸介さんは、私の心を見透かしてるかのようだった。
普段は、全然可愛げのない私だから、酔っ払ったくらいが丁度良いんだろうなと思う。
自分でもそう思う。
けど、酔っていないと反応に困ってしまってツンとしてしまうのかもしれない。

『結局、選択肢ないんですよね。』

と答えると、

『お仕置きが終わってないからね。』

と、サラリと答えられた。

『お仕置き…ですか』
『そう、お仕置き。
そう言う名の、お試し。』
『お試し…?』

『後は、実際に試すから』と、話をはぐらかされて結局飲み直しはホテルに移動してからになった。
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