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拓也と菜津美
第2章 期待(菜津美)
翌朝

いつもの時刻の電車を待つホームに少年は立っていた…
電車が滑り込んできてドアが開く。申し訳程度の人数が降車し、ホームにいたその何倍もの人が乗車しようとドアに殺到する。
もう、これ以上は乗れないでしょ!
と、途中でいつも思うけど、不思議とみんな乗れてしまう。
菜津美はふと、気になって例の少年を車内に探した。
少年は菜津美の斜め左後ろ、中年のサラリーマンを一人挟んだ向こうに、横を向いて立っていた。
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