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梨果サイドストーリー
第2章 手に入れた非日常
お風呂から上がり洗面台の鏡でしみじみと自分の裸体を眺めてみた。
特に何とも思っても考えてもいなかった自分のこの裸体が男の人にはあんなにも影響を与えたり気を狂わすなんて知って不思議な感覚だった。
下の毛がちょびっとでみっともない。もっと生えないかなー。それとも剃っちゃう?

閉めたはずの洗濯機の蓋がなぜか空いていた。濡れたタオルを投げ込み蓋を閉じた。

パジャマを着て自室に戻ると部屋の前で父が待っていた。嫌な予感がする。

「梨果。話があるのだが…。」

「…なに?」

「とりあえずアトリエまで来てくれないか。」

なになに!ものすごい怖いんだけど!

三階の父のアトリエに行くと椅子を用意され私はそれに座り。父は愛用の椅子に腰を下ろした。

父は今年50歳になった。おじさんより少し年上…だと思う。そういえばおじさんの正確な年齢聞いてないや…。

「先日はコミセンで急遽モデルをやってもらって申し訳なかった。嫌な思いもしただろう。」

「うん。最悪だった。なんであの人達を止められなかったの?」

「田村会長と川瀬さんか…。父さんもあの人達には…本当申し訳ない。」

何か大人の事情があるのかな。この間自転車屋さんが言ってたお金関係の何かかな…。

「そんな事言ってお父さんも梨果の身体ジロジロ見てたでしょ。内心では自転車屋さん達の言うことに賛同してたんじゃないの?」

勇気を出して淡々と聞いてみた。

「…邪な気持ちで見ていたわけじゃない。久し振りで成長したなとは思っていたが。」

「ふーん…。」

意外と冷静に誤魔化してきたなぁ。
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