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梨果サイドストーリー
第1章 ヌードモデルになった日
めっちゃ恥ずかしー!!

目を瞑ってても体にビシビシ視線を感じた。

「ほぉ…」

なになになに!誰かなんか言ってる、“ほぉ”ってどういう意味!?ええー!!なんでそんなに見るの!?

赤くなっていくのが自分でもわかった。中途半端なちょびちょびの下の毛を見られるのが特に恥ずかしいので手で隠した。もっと事前にわかってたら剃ってきたのにな。

脱いだバスローブを隣にいた父に渡したら父までも私の体をじろじろと見ている。変な気分がしてふと胸も隠した。

お父さんなんなの?!家族なのになんか変なの…。

教室の奥に1mくらいの高さの台が準備されていて、モデルはその台の上でポーズを取り静止する。昔父になるべく動かないようにひたすら堪えろと教えられてきた。

あれ?あそこに行くまではこの大勢の人達の間を歩いて抜けていかなきゃじゃ?

失敗した。台に着いてからバスローブを脱げば良かった。

だけど既にかなり皆様を待たせてしまっているのでこのまま行くしかない。
全裸のままイーゼルを前に座る大勢の受講者たちの間を抜けて舞台まで歩いた。

うー見られてる…後ろからもお尻見られてるよぉ…

かなりの距離に感じた舞台に着くと結構高い台で奥からよじ登るようにして上がった。

まぶしい…

煌々とライトが照らされており、空調はされてるけど光線が熱いと感じた。

高い所で棒立ちになっている間も視線をひしひしと感じる。

いやぁ…みんな品定めしてがっかりなのかな、私なんかでごめんなさい…

沈黙に耐えられなかった。

「えっと…どうすれば?」

ポーズをどうするのか父に尋ねた。

「みなさんどうでしょう。なにぶん素人なので梨果の楽な形でよろしいでしょうか。」

すると受講者のひとりが

「そうですね、じゃあ台に座って両足の膝を立てて足を開く感じで両手は後ろで支える姿勢で…」

声の主の方を見たらジャガイモの一人が人間に戻った。知り合いのおじちゃんだった…
今まで全然気が付かなかった…

「え…ぁ、あれ?自転車屋さん?・・えと…それは…ちょっと…」

するとまた別のジャガイモから声が上がった。

「うん。それでいいんじゃないですかね。」

もういっこのジャガイモが近所に住んでいるおじちゃんに変わった。

「田村のおじちゃん…」
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