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梨果サイドストーリー
第1章 ヌードモデルになった日
私が小さい頃から乗り継いでいる自転車は毎回川瀬さんの店で買っている。今のチャリも4台目で中学入学の時に買ってもらった。つい先日パンク修理をしてもらったばかりでおじちゃんには長年お世話になっている。

田村のおじちゃんは家のすぐ近所に住む自治会長さん。小学校の通学路や公園を見守ってくれていた優しいおじちゃん。

そんな二人がいつもの笑顔を消して私を怖い顔で見てる。
しかもそんなポーズしたら“女の子の部分”が丸見えになっちゃうよ。
助けを求める顔をするけど他に誰も意見をいう人がいなかった。

みんなの沈黙の内に秘めた“やれ”という圧力を感じ、もう怖くて従うしかなかった。

私は皆に向いて台に座り手で女の子の部分を見せないように隠して慎重に膝を立てた。顔が火照り、思考がぼやける。

「梨果ちゃん。その手はどけて後ろについてごらん…その方が楽だろう。」

右腕で胸、左手でアソコを隠していたけどやっぱり自転車屋さんに指摘された。怖い。

私は仕方なく目を瞑って手をどけ、後ろ手についた。女の子の部分に空気が触れるのがわかった。きっと今まで空気に触れない部分が足を開いて露出したんだろうな。

ああ、見られちゃったな……

女の子なのにもう私に隠すものは何もなくなってしまったな。
こんな大勢の人の前で全部脱いでこんな丸出しのポーズさせられて。

目を瞑っていても視線を痛く感じたのでゆっくり目を開けてみる。
ジャガイモだと念じていた受講者達は全員人間になっていた。
よく見渡すと二人のおじちゃん以外にも知ってる顔がいる。友達のお父さんや商店街の人…

みんな私を見てる。私というか私の身体を。特に視線はアソコに一番感じる。
物珍しさで見てるのかな?私の中では一番この中途半端な毛がなんとも情けなく恥ずかしいのだけど。
あと同じく中途半端で子供っぽい小っちゃな胸。情けなくて申し訳なくて。同級生でさえもっと大きい子いっぱいいるのに。
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