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僕の麗子さん
第6章 苦悩
「僕は、コロナビールにするけど、麗子さんもそれにする?」
「そうね、いつもワインとかシャンパンばかりだから、それもいいわね」
「じゃ、決まりだね」
僕はそう言うとウェイターにコロナビールを2つオーダーした。
それを聞くとウェイターは端末に打ち込み、隣の席のオーダーを取りに行っていた。
僕は、こうして2人だけで食事に来られたことに嬉しさを隠し切れずにいた。
「麗子さん、僕、今日は本当に嬉しいんだ。こうして一緒に夜、食事に来られて…」
「そう?いつも昼間しか会えないものね。今日は特別よ…」
そんな、会話をしているうちにコロナビールが運ばれてくる。
ビンの口にはライムが挟んであった。
「領くん、これはどうやって飲んだらいいの?このライムはどうしたらいいのかしら?」
麗子さんはコロナビールの飲み方を知らなかった。
僕は、優しくこういった。
「ライムをビンの中に押し込んでから飲むんだよ…」
「あら、そうなの?こうかしら?」
麗子さんは、ライムをビンの中に入れて落としていった。
ライムが落ちるとビンの中で少し泡が立つのが見えた。
「お疲れ様~」
そう言うと二人で乾杯した。
キンキンに冷えたビールとライムの味が交じり合って美味しかった。
麗子さんは今も熱心にメニューを見ている。
「領くん、何がお勧めなのかしら?私初めてなので分からないわ…」