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僕の麗子さん
第7章 喜び

すると、1台の青いBMWがやって来たのだ。
その車は僕の立っている近くに停まった。

パワーウィンドウが“ウーン”と音を鳴らして開いた。
そこには、サングラスを掛けた麗子さんの姿があった。

「さ、領くん、乗って…」
「は、はい…」

僕はその車に乗り込んだ。
車は僕を載せると滑る様に走ってゆく。

僕は車免許を持っているが、殆ど乗らなかった。
なので、葉山までの行き方や道順は分からなかった。

「僕、葉山なんて行ったことないよ…」
「葉山は素敵なところよ…海もとても綺麗なの…」

麗子さんはそう言うととても嬉しそうだった。
車は風を切って高速を走ってゆく。

暫く走ると葉山の海に到着した。
麗子さんは車を駐車場に停めた。

僕らは砂浜に出るとふたりでじゃれ合って歩いた。
麗子さんは可愛らしい花柄のキャミソールワンピースを着ている。

そのワンピースの裾が波風に揺れて色っぽかった。
僕は砂浜に腰かけて波打ち際ではしゃいでいる麗子さんを見ていた。

砂浜を見ていると光るものを見つけた。
何かと思い拾ってみる。

それは、小さな鏡の破片だった。
僕は面白がってその鏡の破片で光を集めて麗子さんに当てた。

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