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僕の麗子さん
第8章 発覚
麗子さんと聡はテーブルを挟みながら椅子に腰かけている。
椅子に深く腰掛けながら麗子さんはうな垂れていた。

二人の間には言い知れない沈黙が漂っていた。
そんな麗子さんに、聡が話し掛けてくる。

「麗子、俺は領くんとの関係は忘れよう。俺は麗子を愛してる、それだけは分かってくれ…」
「ええ、わかってるわ…」

麗子さんはまだ深くうな垂れている。

「領くんの事は諦めるんだ、まだ彼には将来がある。やり直すには十分な時間があるんだ…」
「そうね、領くんの事は諦めないといけないわね…」

麗子さんはそう言うと泪を流した。
僕はその時、自宅に帰ろうとして道を歩いていた。

でも、どうしても麗子さんを諦めることが出来なかった。
もう一度だけ、麗子さんの声が聞きたくなったのだ。

麗子さんの携帯に電話をしてみる。
呼び出し音が鳴っている。

その時、麗子さんは僕からの電話が鳴るのに気づいていた。
その電話を取ろうとした時だった。

聡からこう言われる。

「麗子、出るな…」
「でも、…」

「麗子、領くんの事は諦めるんだ…」
「でも、…無理よ…」

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