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僕の麗子さん
第9章 離別
「うん、母さんと麗子さんは大学時代の同級生だったんだ…」
「それは、ヤバイなぁ…」
隼人も電話口で沈黙しているのを僕は感じていた。
「僕は、麗子さんが居ない世の中なんて考えられないよ…」
「領、落ち着け…」
「僕は、僕は…」
そう言うとまた泪が出てくるのを感じていた。
電話口で隼人が少し考えているのが分かった。
「領、麗子って女の事は諦めろ。悪いことは言わない…」
「諦められる訳ないじゃないか…」
「麗子って女は、決してお前の所には戻ってこないと思うぜ…」
僕はそれを聞くと黙り込んだ。
やはり麗子さんは僕との関係を遊びだと思っていたのだろうか。
そう、思えてきたのだ。
でも、麗子さんを僕は信じたかった。
尚も隼人は言ってくる。
「お前、変な事考えるなよな?」
僕はそれを聞くと何も答えられなかった。
変な事を考え始めていたからだ。
「僕は、麗子さんが居ないこの世なんて未練はないよ…」
「領、変な事するんじゃない!!」
電話の向こうで隼人がそう叫んでいるのが分かった。