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僕の麗子さん
第9章 離別
僕は、もうこれ以上話したくないと思い電話を切った。
亜希子は重度の睡眠障害を患っていた。
仕事柄、編集長という重い責任のある仕事をしているからだろうか。
亜希子は夜も余り深い眠りを得ることができないようだった。
精神科に通い、睡眠薬などを処方されていたのだ。
その事を僕も知っていた。
僕は亜希子の部屋に入っていった。
亜希子の部屋は綺麗に整理整頓されている。
僕は、処方されている睡眠薬を探した。
どこに亜希子は薬を隠しているのだろう。
僕は、必死に探したのだ。
机の引き出しを開けてみる。
そこにはなかった。
本棚の中を探してみる。
すると、その本棚の中から処方された薬が出てきたのだ。
つい、先日、亜希子は病院に行ったばかりだった。
薬は30日分たっぷりとあったのだ。
僕はその薬を持つとキッチンに行き、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。
それを、持ち自分の部屋に戻った。
薬の袋を逆さまにして、全部ベッドの上にぶちまけた。
薬はベッドの上いっぱいに散らばっていた。
その薬を1錠ずつ取り出してゆく。
睡眠薬だけではなかった。
精神安定剤も混じっていたのだ。