この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
待ち合わせは 初めてキスをした処
第3章 優月
49日が過ぎ 意識の中に身を寄せ 意識の交流を図り
幾つもの意識が交差していた
足元に穴が開いた 迷わず身を委ねて行く
幾つものスロープが 絡む様に広がっていた
勇太の傍に 念じながら 身を任せスロープを滑り降りて行く
若い夫婦が 薄明かりの下で抱き合い
足を大きく広げ 男が腰を押し付け
女が体を反らせ 叫ぶように声を上げていた
白い光を見て 恵美は着地すると
眠りに入って行った
・・・元気な女の娘ですよ・・・
見つめる女性の顔に 見覚えが有った
叫ぶように 体をのけ反らせていた女性だった
・・・ありがとう・・・
優しく微笑んでくる 恵美は心の中で
・・・やったーー・・・
笑みが零れていた
・・・笑った この娘 私を見て 笑ったのほら・・・
芳美は茂雄に 抱いた娘を見せていた
恵美は1歳の誕生日を向かへ 時の経つのに 苛立っていた
自由に成らない体 立つこともままならず
やっと 立てたと思うと 転んでしまう
自分の体に 癇癪を起し 何時も泣いていた
言葉を覚えた時 優月は 何時も
「勇太が 待ってる」
「勇太に 会いたい」
「私 勇太のお嫁さんに成るの」
両親はそれを聞き 困惑していた
新聞の日付けで 3年が過ぎたのが分かり
頭の中で勇太 待って居て
それだけを念じていた