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第5章 待ち合わせの場所へ

紅茶を用意すると　恵美の前に母親は座り
恵美に柔らかい視線を送った

「　この娘　今　お付き合いしている娘で　田中優月さんと言います」
勇太は隣に座る恵美を紹介した

恵美は涙を堪え　頭を下げ母親は黙って恵美を見つめていた　
部屋の中は　昔と変わりなく　少し古さを感じるだけで　
恵美は部屋の中を見回していた

「お墓詣り　何時も有難う・・」　
母親は恵美を見て　涙を浮かべて来た

「実は　お母さん」　
勇太が話をしようとするのを　母親は手で押さえ

「・・・恵美・・」呟くように言い
恵美を見つめて

「お帰りなさい　恵美・・・」　涙を流し始めた

「お母さん・・・」　
恵美は母親の横に駆け寄ると
座り抱き着いていた

「・・・おかえり・・・」　
強く抱きしめ　何も話さず　只只　抱き締め涙を溢していた

「何時　分かったの？」　

「玄関を　開けて貴方を紹介された時」

「姿は　違うけど　昔の学校から帰って来た時と同じ雰囲気だったの　」

「それにね　勇太君毎年　貴方のお墓参りしていて　」

「勇太君と　会った時　言ったのよ　勇太君が　
　恵美と約束していますから　そう言ったの」

「お付き合いしている娘です　そう紹介に来たら　恵美だと思うわよね」
母親と　話をしている時　玄関の開く音がして

「　ただいま・・・　」　
千鶴が入って来て　3人を見て少し怪訝な顔をして
抱えた荷物と共にキッチンへ
恵美は千鶴を見て　母親が頷くのを見て
少し驚いた顔のあと　微笑んだ