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第5章 待ち合わせの場所へ

「　何か　手伝う？　」

「　良いわよ　座ってなさい　」
母親が優しく声を掛けてくれ　千鶴が怒ったように

「　恵美　この玉ねぎ剥いて　みじん切りに　」
3個の玉ねぎを恵美の前に置いた

「　はい！　はい！！　」
少しお道化て　調理台の前で玉ねぎを持ち
蔕の付いた皮を指先で剥こうとして
四苦八苦している姿に　千鶴が呆れた様に

「　貸して！！　」
恵美から受け取り　包丁で蔕を落として
手早く皮を剥いて　

「　はい！！　みじん切り！！　」
玉ねぎを並べ　まな板と包丁を置かれた
恵美は包丁を抱え　玉ねぎに包丁を入れ
みじん切りを切始め　千鶴はそんな恵美の手元を
ジトウーと見て

「　恵美！！　料理した事あるの？　」

「　家庭科で　習ったよ！！　」
恵美が答えると　呆れた様に恵美から包丁を取り上げ

「　恵美　あっちへ行って　座ってて　」
キッチンから追い出されてしまった

「　お皿だしてね　」
母親の声に嬉しそうに恵美は
食卓に　食器を並べ　千鶴と母親が料理を
テーブルに運んで来た　

その日の夕方父親が帰宅して　恵美はお父さんと
抱き着いて行った　父親が慌てて　体を外し
妻や千鶴の顔を見て　恵美を見直していた

夕飯時に　沙也も一緒にと賑やかな夕飯と成り
父親は　最初半信半疑だったが　恵美の言葉や
母親と千鶴や沙也の会話を聞いて　嬉しそうに
ビールを口に運んでいた
ーーー
ーーー
勇太と　ホテルへ帰ろうと　立ち上がろうとした時
母親が　恵美を呼び止め

時々は顔を　出してね　可愛い妹も待って居るから
千鶴の肩を抱き　そっと前に押し出してくる　千鶴と沙也が　二人
恵美に抱き着いて　また来てねと涙声を聞きながら　
家を後にしてホテルへ向かった

・・・明日は　帰らないと　このまま勇太に付いて行こうかな？・・

・・恵美　まだ高校2年生だろ　俺が掴まるよ・・・
恵美は　勇太を見つめ　少し寂しそうな目で　頷いた

・・・正月は　小倉に行くから・・・・

勇太が言うと　目を輝かせ

・・・絶対だよ　約束だよ　約束・・・

何度も嬉しそうに　スキップで　勇太の手を引いていた