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とある家族の裏事情
第2章 裏事情 〜長男の事情〜
何人もの女子と付き合ったが
どの子と付き合っても
心臓は高鳴らなかった
体を重ねても満足出来ない
いつも乾いているようだ
れんとしたような
女の子を欲のままに
犯すような行為がしたい…
体を散々、貪って気絶させて
目が冷めたら拒否されても
お構いなしに、また貪る
脳の思考を停止させて
欲の赴くままに………
自分の腹の中の黒いドロドロは
体の成長に合わせるように
もっともっと大きくなっている気がした
自分に言い寄って来る女は
みんな、自分に夢を抱いているのが
手に取るように、わかった
見た目通りの王子様……
お洒落で、優しくて
友達に自慢出来る彼氏……
つまらない…………
何だか空虚な気持ちのまま
過ごした高校生活を終えて
翔太は大学生になった
大学生になると、もっと洗練された
大人の男性に成長していた
周りに女子は群がってくるが
付き合う…という行為が
ひどくダルくて、特定の彼女を
作る事はしなくなっていた
その日、翔太は大学のカフェテリアで
コーヒーを飲みながら
小説を読んでいた
本好きの妹に勧められた一冊だが
これが中々、面白い……
本の世界に没頭している時だった
後ろから
「れんっっ!!こっちーーー!!」
という声が、聞こえ
思わず振り向いてしまった
声を掛けられて
駆け寄ってきた女の子は
れんとは真逆のタイプだった
少し丸っこい体付きに
癖の有りそうな髪の毛を
軽くまとめて肩まで垂らしている
耳にピアスも無いし
露出度皆無の服装だ
こんな場所に、れんが居るハズない
そう思って小説の文字に目を落とすが
何だか、もう集中出来ない……
集中出来ないで居ると、後ろの席の
会話が耳に入ってきてしまう
盗み聞きなんて良くない……
だが、自分の気持ちとはウラハラに
耳の神経が研ぎ澄まされ、後ろの声を
聞き取ってしまうのだ
どうやら女の子の名前は " らん "
というらしい
小説に没頭していて聞き間違えたようだ
後ろの席の2人組は同じサークルに
所属しており、そのサークルの
活動について話し合っているようだった