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とある家族の裏事情
第2章 裏事情 〜長男の事情〜
翔太と、らんは徳川家康と深い関わりが
有るという寺院に来ていた
らんが一生懸命、自分が調べてきた
情報を次々に説明してくれている
しかし、翔太はらんの胸に
釘付けだった
(らんちゃんて、いつもゆったりした服を
着てるから、わかりづらいけど
案外おっぱいデカそうだな…)
「………………という事が有って
建立された寺院なんだそうですよ!
どうですか?
私の説明で……大丈夫でしたか…?」
翔太は、ハッと我に返り
いつもの王子様スマイルを
らんに向ける
「ありがとうございます…
すごい、わかりやすくて
勉強になりました!」
らんは少し顔を赤らめながら照れて
「それじゃ、次は……」
と、言いながら歩き出そうとして
つまづいて「キャッ!」と
言いながら自分の足で踏ん張り
「えへへ」と恥ずかしそうに
笑ってみせた
そう、この娘は中々の天然だ
天然というか、おっちょこちょいと
いうか、よくつまづくし
本に没頭しながら飲み物のカップを
取ろうとして落としたり……
そういう場面を、よく目撃していた
らんが、恥ずかしそうに
「えへへ」と笑う顔を
想い出の中の誰かに
重ねてしまっていたかもしれない
2人で色んな場所に出掛けているうちに
サークルとは関係無い場所にも
遊びに行くような仲になっていた
その日はサークルの先輩が教えて
くれた美味しいと評判の中華料理店で
食事とお酒を楽しんだ
らんは、お酒に強くないようで
既にほろ酔いだ
酔い醒ましに少し歩こうと誘うと
嬉しそうに付いてきた
「ここらへんて、夜になると
キラキラして綺麗だね……」
翔太は、そう言うと
らんの顔を上から覗き込んだ
らんは少し照れたような顔で
ベンチを指差し
「それなら、あそこに座って
少し見て行きましょうか……」
そう言って歩き出そうとして
また、躓いた
しかし、お酒が入っているからか
転びそうになる
翔太は持ち前の反射神経で
らんの前に回って思いきり抱きしめて
転ぶのを阻止した
「あっ……ぶねーーー……」
らんは顔を真っ赤にして謝る
「ごっ……ごめんなさい……··!!
本当に……もう………私ってば………」
しかし、その声は翔太に
届いているのか、いないのか………