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とある家族の裏事情
第1章 裏事情 〜序章〜
子供達が朝ご飯を食べながら
慌ただしく学校の準備をする
舞花は3人分のお弁当を包みながら
「お兄ちゃん、みぃちゃん
今日の夕ご飯から宜しくね
温めるだけで大丈夫なように
準備してあるし、お金も置いて
いくから足りなければ何か買ってね」
長男は慣れた様子で
「わかってるよ
母さん、心配しないで」
次女はトーストにかじりつきながら
「ママ、今回は3日間だっけ?」
と、聞き返す
「うん、3日。宜しくね」
末っ子は呑気に
「ママがお泊りに行ってる時は
ピザ頼んでいいんだよね?!」
「ふふ、良ちゃんの
好きな物を頼んでいいよ
ただし、お兄ちゃんとお姉ちゃんの
言う事を聞いて良い子にしてね」
「やりー!ピザパーティーだー!」
末っ子がドタバタとリビングを
走り回るのを長男が冷静に静止する
口にウィンナーをつっ込み
「良太、そろそろ急がないと
遅刻する」
仲睦まじく面倒見の良い子達に
育ってくれて本当に良かったと
舞花は心から思った
こんなに良い子達を置いて
自分は3日も家を空ける
申し訳ない……
しかし、今日という日を
待ち望んでいた
今更やめられない……
いや、やめる気等…無いのだ…
慌ただしく子供達を見送ると急いで
自分の支度に取り掛かる
準備しておいたキャリーケースを
玄関に降ろし、上着だけ着替えて
化粧をする
朝ご飯は、さっき作った
お弁当を新幹線で食べる
気持ちが急く
早く行きたい……
化粧が終わり、ストッキングを履いて
スカートを……
「やだ…少しキツイかも……」
伸縮性の有る生地のスカートだから
ボタンが弾け飛ぶ…とかは無いが
こんなにヒップラインを強調させる
デザインだっただろうか
少し気になるが
新幹線の時間も迫っている
コーディネートを考え直す時間は無い
「まぁ、大丈夫でしょ」
舞花は楽観的に考えて
家をあとにしたのだった