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とある家族の裏事情
第2章 裏事情 〜長男の事情〜
翔太の腹の奥底のドロドロとした
黒いものが下から沸き上がって
くるような感覚に襲われる
黒いものは、ドクッドクッと
大きくなり、遂には翔太の体を
包み込んだ
思考は黒いものに支配されていく…
(ラン……カワイイ……スキ………
タベタイ……オカシ…タイ…?……
オカシ…タイ……………コワシ…タ…イ)
(コワシタ…イ……コワ…シ…タイ…
…コワ………シ…………………!!)
(コワス!!コワス!!コワス!!!
オカス!!オカス!!オカス!!!オカス!!!!!!!!!!!!)
翔太の自制思考は既に停止していた
らんの頭を両手で強くガッ!!と掴む
らんは驚いて上目遣いで翔太の顔を見た
お互いの目が合って
ハッと
我に返る…………
らんを自分のモノからスッと
引き離すと両手で自分の顔を覆った
何故だろう…感情が…ぐちゃぐちゃだ…
急に、どうした…
わけも分からず涙が出てきた…
(かっこわりぃなぁ…………)
らんは「痛かった?ごめんね?」
と、あわあわしながら心配している
止まっていた思考が動き出し
翔太の中で結論が出た………
翔太は目に涙を、いっぱい溜めて
精一杯の笑顔を作った
「らんちゃん……ごめん……
俺達……別れよう……………」
ひとしきり泣いたら落ち着いた……
らんは、バスタオルを巻いたまま
隣で放心している
彼女も思考が停止してしまったようだ
泣き過ぎて赤くなった目で
らんを見て、彼女の頭を
優しくポンポンと撫でる
このままでは埒が明かない
というかのように咳払いをして
翔太に問いかける
「別れたくない……けど……!!
理由を教えて··…··!!」
翔太は、全てを話した
自分が今まで家族に抱いてきた感情
初めて関係を持った、れんの事
高校生の時に付き合ったが
体にしか用が無いと思ってた彼女達
本当は性欲が強くて
いつも自分で処理してた事
好きな子に
酷い事をして興奮する事
ありとあらゆる腹の内を
らんに、晒した
「らんちゃんは、
すごく優しい魅力的な女の子だからさ」
「俺みたいな偽善外面
加虐野郎には勿体ないんだよ」