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とある家族の裏事情
第3章 番外編 〜とある老夫婦の話し〜
母、マリアは異国の人間だ

父と母が
どこで知り合ったのかは、わからないが
戦後復興の終わってない
閉鎖的な田舎の農家に嫁いだのだ

苦労したんだろうという事は
容易に想像できる

うちの実家は代々続く農家だ

父は農業以外は経験が無いはずだが
昔から「先見の明」が有るようだった

私が小学生の時に、家から離れた場所に
ある先祖代々受け継いだ土地を
売ってほしいという男が、現れた

父は男の提示する金額には頷かず、
その男に土地を譲る事にはならなかった

叔母に「売ってしまえば良かった」と
言われると「あの土地は金の卵だ」
と答えていた

そして、数年後

その土地の近くに
大きなショッピングモールが出来た

"ショッピングモールに徒歩3分"
という触れ込みでマンションを
建てたいと、建設会社がその土地を欲しがった

昔、譲ってくれと言った男とは
比べ物にならない金額で
父は、その土地を売ったようだった

そんな父が畑違いの仕事をしている
私に初めて「人生の助言」をしているのだ






実家から戻って数日が経ち
私は自分のデスクで思考を巡らせていた


確かに、今の私は金遣いが荒い自覚がある

上司との釣りのために勧められるまま
高級な釣り竿を購入し

使ってみてシックリ来ないと感じれば
ゴルフの道具を使い捨てのように
簡単に替えている

会社の後輩との飲み会では綺麗な女性に
囲まれて、浴びるように酒を飲み
湯水のように金を支払う


自分の稼ぎは、かなり良い方だし
妻だって同じくらい稼いでいるだろう

家に纏まった金額を渡して残りは
自由に使っていたが……
「金の使い道を考え直すか…」
と、小さく独り言を呟いた





父の助言から数年が経ち

私は金の使い道を考え直し、
貯蓄をするようになっていた

父の先見の明は確かだったと
実感させられるように、
バブルが弾けると
会社の業績は徐々に落ちていった

昔は、どんどん利益を上げろ!と
言わんばかりの経営方針だったが、
今では「会社の存続 最優先」の
営業方針へと変わっていた

私も派手に遊ぶ事は、しなくなり
出番の無くなった釣り竿等は
中古ショップに全て買い取ってもらった

私に媚びるように名刺を渡してきて
夜を共にしてきた彼女達には
相手にもされなくなった…
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