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とある家族の裏事情
第3章 番外編 〜とある老夫婦の話し〜
「今まで放置されてたんだよ…?
そんな日…
来るのかなぁ………」
太一は、ふっと鼻で笑った
「大丈夫よ、きっと来るわ!!
だって太一くんは、
とーーっても優しい良い子だもの!!
その時が来たら、
ちゃんとお礼を言ってね…!!」
「お礼ねぇ………」
太一は、よく理解出来ない
といった様子で勉強を続けた…
それから数年の歳月が流れた………
昭一はカフェでコーヒーを
飲みながら光を待っていた
昭和の雰囲気を残した調度品に
店内は、コーヒーの香りに包まれた
昭一のお気に入りのカフェだ
コーヒーカップを口に近付けると
コーヒーの良い香りが鼻孔をくすぐり
昭一は、まったりとした気分で
考え事をする
(思えば、光との付き合いも
こんなに続くとは思わなかったな……)
光と会うようになって最初の3年くらいは
激しく互いを求めあって、
夢中で体を重ねたものだった
だが関係は、徐々に落ち着いたものになり
今では光は第二の妻という感じで
お互いの都合のつく時に会っても、
体を重ねることは少なくなっていた
「子供は出来ないから大丈夫…」
という言葉に甘えて
激しく求めあっている時期は
そういうプレイも散々、楽しんだ
だが、お互いに落ち着くと
自然に避妊具を付けるようになった
「昭一さん…お待たせしました」
ふっと顔を上げると光が、立っていた
薄い緑で裾に色とりどりの花の絵が
書かれた落ち着いた雰囲気の
ワンピースに、そこまでヒールの
高くないローヒールの靴
手には、昭一が昔プレゼントした
ブランドの小さめのバッグだ
あぁ、やはり彼女は可愛い……
昭一はカフェを出ると光と
腕を組んで歩き出した
「この間のプレゼントのお礼に…」
と、彼女の予約してくれた部屋は
モダンな調度品で纏められた
高層階の部屋だった
「高そうな部屋だね
やっぱり私も半分払うよ」
「いいえ…お礼なんですから…
たまには甘えて下さい」
そういって彼女は微笑んだ