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とある家族の裏事情
第3章 番外編 〜とある老夫婦の話し〜
相変わらず、お互いに会話が
弾んだりする事は無いが

「帰りに、お醤油を買ってきて下さい」

等の、メールを送られるくらいには
関係が回復していた






そんなある日、家に帰ると
息子の太一に
「シャワーから出たら
話したい事があります」と
改まって言われ、何を言われるのかと
少しドキドキしながらソファーに座った

彼は私の足元に座ると
何と土下座をしてきた……


「大学を中退します!!
申し訳ありません!!」


先に妻には話してあったのだろう
妻は台所で静かに夕飯の支度をしている…


「ちゃんと座って理由を話してくれ…」
というと太一はダイニングテーブルの
椅子に座った

ダイニングテーブルは、
ソファーの裏に置いてあるから
太一の顔は見えない……

理由は…

彼の大学の先輩が立ち上げた会社が
軌道に乗って、すごく忙しくなり
バイトとして先輩を手伝ってきたが
会社に腰を据えて彼を手伝って
会社を大きくしたい…

との事だった………




最初は、怒りなのか悲しみなのか
わからない感情で震えそうになった

太一は私立の中学校に通わせて
中々、優秀な高校に入り
努力しなければ入れない学力の
大学に通っている

今まで、お金が掛からなかった
といえば嘘になる金額だ


何と言って諦めさせよう…と
考えていたら、ふっと光の言葉が
頭に浮かんだ……


「私…絶対にこの子を幸せにしたい…」



その瞬間、今までの自分が
走馬灯のように思い出される…


今まで息子と遊ぶ事もせず、
家族も顧みずに仕事をしてきた

幼い息子は、きっと寂しい幼少期を
過ごしていたと思う

家に金だけ入れて、
不貞を働いていた時期も有った


私は…良い父親では無かった…


そんな、駄目な父親を
説得して許可を取ってから
辞めようと言うのだ


充分じゃないか…

彼は、もう立派な大人なのだ……





息子の中退を認め
リクルートスーツに身を包んだ彼の
初出勤の日…




マンションの玄関で

家族写真を撮って彼を見送った
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