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人妻 美鈴、25歳。
第2章 再会
失礼ですが… 遠慮がちに声をかけると、振り返った女はまぎれもなく美鈴だった。

「久しぶりだね。どうしてこんなところに…」

「ネットで見かけたんです。そうしたら先生のお名前が…」

明確な目的で検索しなければ辿り着かないであろう画廊のホームページである。
この女はまさか今でもこうした世界に…

私の疑念を見透かしたように美鈴が微笑んだ。
「ちがうんですよ、偶然なんです。それに私、結婚して今は人妻ですから」

理屈になっているようで矛盾のある回答だったが、追求せずに私は祝辞を口にした。

「それじゃ、もう気楽に声をかけるわけにはいかないな」
私はちょっぴり戯けてみせた。
倶楽部が摘発されてから今日までのことは敢えて聞かず、こちらのことも口にはしなかった。

「私のアトリエの住所だ。気が向いたら寄ってくれないか」
時折、これはと思う女を見つけた時のために用意しているカードを美鈴に握らせた。
何の期待もなかったが、そうせずにはいられなかった。

これが2年振りの美鈴との再会だった。
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